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楮原 京子; 黒澤 英樹; 小坂 英輝*; 石丸 恒存
no journal, ,
跡津川断層帯と高山-大原断層帯の境界に位置する岐阜県古川町杉崎に、バイパス工事に伴って、断層露頭(太江断層)が出現した。本研究では太江断層の性状とその活動性を明らかにするために、空中写真判読と露頭周辺の地表踏査、及び断層露頭の観察を行った。その結果断層露頭の認められた河谷に沿って三角末端面や対頂谷などの地形異常が多く認められ、地点数はわずかであるが、数m程の谷の屈曲や扇状地の撓みも認められた。このことから、太江川の河谷が断層(線)谷であり、太江断層は北側隆起を伴う右横ずれ断層であると判断される。さらに、跡津川断層帯及び高山-大原断層帯の変位様式の違いに基づくと、太江断層は、跡津川断層帯に属すると推察される。本断層のグルーピングに関しては、地質調査や物理探査を行うなど、本地域の地下構造とあわせて吟味する必要があるが、山間部に発達する活構造の連続性を検討するうえで、本断層の構造を理解することは重要である。
楮原 京子; 黒澤 英樹; 小坂 英輝*; 石丸 恒存
no journal, ,
岐阜県飛騨市古川町杉崎におけるバイパス工事に伴って断層露頭が出現した。この断層は、構造性の地形であると疑われつつも、これまで活断層として注視されることはなかった断層である。本研究では本断層(太江断層)の性状とその活動性を明らかにするために、空中写真判読と露頭周辺の地表踏査、及び断層露頭の観察を行った。断層露頭では、風化花崗岩と花崗岩類の礫を含む砂礫層が、N74 W 67 NEの断層面で接しており、地形調査結果を踏まえると、太江断層は北側隆起を伴う右横ずれ断層であると判断される。太江断層露頭の発見は、山間部における活動性の低い断層の活動性評価には、より詳細な調査の必要性を再認識させるものであった。